会話力をつけるためには、まずは「会話理解力の徹底強化」が必須である。
これがこのコースを作成した根底の考え方になります。
従来の教科書的な会話パターンでは限界があります。
映画やドラマのセリフだけでは状況が特殊すぎたり、頻度が低すぎたりして重要なポイントを抑えることができません。
自然な会話をそのまま、たくさん聞く
このコースではよって、フランス語を母国語とする人同士の会話を録画・録音し、それを複数回に分けて配信しています。
会話は基本的にノーカット。
話者が間違えていても、言いよどんでいてもそのままです。
それが自然な会話であり、普段の会話もこうであるからです。
従来の教材は間違いを恐れて、指摘を恐れて、こうした本物の会話教材を出してきませんでした。
台本を作って、間違いのないように練り上げていては時間もコストもかかりすぎてしまいます。
レ・ザトリエはここをあえて「間違いはある、指摘も受ける、それでもすべてよしとする」というスタンスで挑みます。
間違い探しの旅は遠回り
日本の完璧な間違いのない(それでもありますが)教材に慣れていると、教材で学ぼうとせずに間違い探しをしようとする傾向があります。
それがダメではありませんが、そうすると、自分が話す時も、間違いが怖くなってしまいます。
間違いが怖くて話せない、これが会話力を伸ばすことを阻む最大の要因です。
今回のコースでは少なくとも、会話を聞いて理解することを最優先事項としましょう。
間違いがあって、それを間違って学んでしまったら…?
大丈夫です。
当然、母国語チェックをしてあまりにも大きな間違いはないかはチェックしています。
それでも細かい間違いや語法のミスなどがあったとして。
それが怖くて会話力が10年横ばいになるのと、ミスはあっても全体の会話力はグンと伸び、最終的にそのミスにいつか自分で気がつくぐらいの会話力がつくのと。
どちらが良いか、ということです。
多くの日本人は前者です。
ミスを怖がらず先に進めるかどうか。
これが会話力をつける最大の鍵です。
まずはこの教材で、人の間違い探しも、自分の間違い探しもやめて、理解して聞き取る力をつけていきましょう。
ヒアリング力は会話力アップにつながるの?
そうやって会話理解力はついたとして、話せるようになるの?
よくいただく質問です。
これは、「理解すること」と「話すこと」が全く別ものだと考えていることからきます。
理解する力と、話す力は本当にまったく別ものでしょうか?
日本の英語教育のように、文法や英作文などをしっかりやれば、「文章が作れる」→「言いたいことが言えるようになるから話せる!」と思うかもしれません。
全くの間違いではありませんが、ここで「会話理解力」がないと、ある一定の段階で上達が止まります。
会話理解力はステップアップの鍵
会話理解力がつくと、あ、この人はこういうことをいいたいときに、こんな言い方をするんだ。
この人の場合は、こういう言い方をするんだ。
という様々な言い方の経験値がアップしてきます。
状況によって使い分けたり、人によって、話す相手によって変わる生きたフランス語の使い方を実感として学ぶことができるようになります。
これは教科書に「これは話し言葉です。」と書いてあるのを読むだけでは身に付けられないものなのです。
会話経験値、とでもいいましょうか。
この会話経験値が、自分が話す時の、もう1段上の表現力をつけるための強力な後押しとなります。
すこしずつ積み重ねたこの会話経験値は、どんなに素晴らしい教科書をいくら読んでも得られない、「言語感覚」です。
この言語感覚があってこそ、作文能力や語彙、表現などの知識と組み合わさって、1つ上の段階にあなたのフランス語能力を押し上げます。
これまで、様々な努力をしてきたけど、どうしても会話力がつかなかった人に、足りなかった要素である可能性は大きいのです。
作文コース、会話レッスン、多読コースと組み合わせて
会話力徹底強化コースで補えないのは、以下の部分です。
- 「自分でいいたいことを文にして伝える力」をつける
- 様々な分野の広い語彙やそこで使われる表現を知り、身につける
- 「実際の会話のスピードの中でそれを行う力」をつける
1.は単純に、文章をつくるちから。「私の名前はXXです」と1フレーズ作る力です。
これはある程度できる人が多いのが日本人の特徴です。
でも自身がない、もっと鍛えたい、という方は、「1日1文フランス語添削コース」をご利用ください。
2.は語彙や表現を生きた形で覚え、使う力です。
会話では、頻出語、重要語の使用が8割を占めると言われています。
逆に残りの2割の言葉がたまに出てくるとわからない、という状態になります。
一般会話ばかりではどうしても補えないこれらの語彙や表現を様々な分野の記事を毎日読み、シャドーイングすることで身につける「多読・多音読コース」をご利用ください。
多読コースは、文脈の中で語彙や表現の意味を推測する、本物のフランス語脳を培うのに最適です。
3.は実際の会話でポンポンとセリフが飛び交うなか、理解して自分のいいたいことを言う力。
会話力徹底強化コースでつけた会話理解力と、1.の添削コースや2.の多読多音読コースで身につけた語彙や表現、すべてを使う、いわば会話の総合力です。
これは「会話理解力」「作文力」「語彙表現を文脈から理解し使いこなす力」がそれぞれ段階に来たら、ぜひ「実際の会話レッスン」を試してみましょう。
それぞれの段階、とは初級なら初級レベルなりに会話理解力、作文力、語彙や表現がついた段階で、まずは会話レッスン。
次に中級、上級と上がってくるなかで、時折、自分の弱点チェック、盲点などを把握するために実践会話はどうしても必要になります。